■ 抄録・要旨
| 埼玉県では酸性雨調査を約30年間継続してきた。その観測結果と発生源や環境対策との関係を検討した。これまで燃料の硫黄含有量の低減や、焼却施設への規制強化などにより、降水中の硫酸イオン、塩化物イオンの沈着量は減少した。硝酸イオン沈着量もわずかに減少傾向にある。
また、埼玉県騎西町では、大気中のNH3やHNO3が全国平均に比べ高濃度で観測されている。
埼玉県は夏期に光化学オキシダントが高濃度になる地域であり、光化学反応の影響が大きいと考えられた。これらの物質の挙動を把握し、高濃度を生じる原因や埼玉県の地域特性を明らかにするために、光化学反応の盛んな夏期に粒子状成分及びガス状成分濃度を調査した。HNO3はOxと、粒子状SO42-、NH4+はSPMと強い相関がみられ、光化学反応より生成したと考えられた。
|